2024.03.14

「私が考える地域課題解決のアイデア」~受講生による最終発表会

「私が考える地域課題解決のアイデア」~受講生による最終発表会

本プログラムの受講生が、約4カ月に及ぶ座学・フィールドワークで学んだ知識・経験をもとに、一人ひとりがそれぞれに地域課題を設定し、それを解決するための事業アイデアやこれからの行動計画を発表しました。

1人5分の発表に地域への想いを込めて

受講生たちは本プログラムで東北の計10地域を実際に歩き、住民や行政の方々から話を聞いてまわりました。そして、その地域ならではの課題や魅力・資源への理解を深め、課題解決のアイデア創出に取り組んできました。

最終発表では、1人5分という限られた時間で、フィールドワークで訪問した地域や自身が住んでいる地域における課題解決のための事業アイデアを発表しました。

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●フィールドワークを発展させた発表
実際のフィールドワークで学んだこと、気づいたことを発展させた発表が多くありました。

例えば、宮城県角田市をテーマした提案発表は複数ありましたが、さまざまな角度からアプローチをした多彩な内容となっています。角田市=宇宙というコンセプトは共通していながらも、受験生や就活生を応援するイベントや教育コンテンツを提供する案もあれば、宇宙を核とした高専の設立、特産品を使った宇宙食の開発、「衣食住」を切り口にした宇宙がテーマの旅行・体験プランなどのアイデアが出ていました。

市街地の活性化という課題解決を目指した発表においても、それぞれの地域特有の現状と課題を整理した上で考えたアイデアばかり。青森県八戸市を対象に考えた受講生は、中心街地の魅力・コンセプトを「郊外のショッピングセンターにはない面白さ」と銘打ったインクルーシブ横丁を提案。岩手県盛岡市を「チャレンジできる素敵なまち」という街の魅力のコンセプトを掲げた受講生は、開業お試しパッケージを提供することで挑戦する担い手を呼び込み、観光の魅力向上につなげるという案を発表しました。

また、フィールドワークで学んだ知識・アイデアを応用し、自身の居住地や出身地などゆかりある地域に関する発表をする受講生も。農業を通じてビジネス(商い)を学ぶ農業体験の企画や、カブトムシの養殖による地域資源の活用・活性化などの提案がありました。

●「次」を見据え動き出した受講生も
どの受講生も着眼点や着想にオリジナリティがありました。手法もXRやNFT、ゲーミフィケーションといった活用・普及が期待される技術や手法を積極的に取り入れ、プレゼンテーションからは挑戦する姿勢や志もしっかりと伝わってきました。

最終発表までの短い期間内で、事業者や対象者にヒアリングしたり、事業者や行政へアイデアや連携の提案に動いたりしていた受講生も出ています。すでに自ら進んで発見・探索・検証という事業構想のサイクルを回し始めている人が出てきており、今後、具体的な事業化への期待が膨らむ最終発表会となりました。

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事業構想大学院大学の講師陣からの総括・感想

講師陣からは、受講生一人ひとりの発表に対して、具体的なアドバイスがありました。そして、全体を通しての講評、それぞれが考えた事業構想を実現化・具体化させていくためのフィードバックがありました。

●問題・課題の解像度を上げよう
地域のコンテクストを大事にし、地域の課題や顧客の不満を理解した上で、地域資源の目の付け所がよい提案ができていたとの感想がありました。ここからのステップアップとして、「誰を助けるのか、誰を楽しませることができるのかという具体的な顧客の顔が浮かぶくらいまで問題の解像度を上げると、どんな価値が提供できるかがはっきりしてくる」とのアドバイスがありました。

●「手の中の鳥」を育てよう
最近の起業家が実践する思考に「エフェクチュエーション」というものがあります。この理論には「5つの原則」がありますが、その一つである「手の中の鳥の原則」を参考にしてみてほしいとの話がありました。まず「自分は何者なのか、どんなことが得意なのか」を知り、次に「自分は何を知っているか、どんな専門知識があるか」、最後に「誰を知っているか、どんなネットワークがあるか」という3つの手段を上手に活用して事業構想を進めてほしいと呼びかけました。

●受講生みんなでつくった機会・つながりを大切に
最後に、このプラグラムを通じた「つながり」を続けること、そして仲間を大切にしてほしいとの言葉がありました。このプログラムを通じて知り合った仲間や講師陣、地域の方や行政の方に対して、臆さずに相談し、ぜひ形にしてほしいとエールが送られ、受講生たちは大きくうなずいていました。

まとめ

受講生たちは4カ月にわたり、考えながら走り続けてきました。プログラムの回を重ねるほどに、アイデア力や観察力を磨いていった受講生たち。本プログラムの修了は、事業構想のスタートラインです。事業構想大学院大学としては、これから事業化そして地域課題の解決に向けて動き出す受講生のサポートを続けていきます。

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