2024.02.07

利府町は活性化するには?町の資源を生かした施策を考える

利府町は活性化するには?町の資源を生かした施策を考える

農家の担い手や若い女性が減少傾向にある宮城県利府町。町の資源を生かした施策を考えました。

利府町における課題

宮城県のほぼ中央に位置する利府町。人口3万6000人弱という小さな町でありながら、4つのインターチェンジや東北最大級のショッピングモール、全国有数の規模を誇る新幹線総合車両センターなどを有しています。また、日本三景松島の一角である表松島という絶景スポットも有名です。

そんな利府町は「もっと先へ、チャレンジ利府!~みんなの夢がかなうまち~」として10カ年計画を立てています。計画の中ではさまざまな課題が挙げられていて、中でも特産品のひとつ「利府梨」を作る農家の担い手が減少傾向にある点や、公共交通網の充実、若い女性の転出などがあるとのことでした。

グループワーク

受講生たちは、利府町の方々に町内施設を案内してもらいながら午前中はフィールドワークを実施。その後、利府町役場の方からの課題などの説明を受け、グループに分かれ、どんな課題があるか、どんな事業ができるかなどアイデアを出し合いました。

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地域課題に対する提案発表

フィールドワークとグループワークを経て、グループごとにさまざまなアイデアを提案しました。

●利府町を知ってもらう・来てもらうためのコンテンツの開発
利府町を知ってもらうため・来てもらうためのコンテンツとして、「利府町東西横断トライアスロン」「推し活を応援する乗り合いワゴンのラッピング」などの案を発表しました。トライアスロンでは、企業枠を設けて従業員のチームビルディングを狙った活用を呼び掛けるなどのアイデアを披露しました。

●イベント連携型コンテナホテルとファンに響く消費の仕組み
大規模イベントが定期的に開催され、年間に利府町を訪れる人が多いことに注目し、イベント連動型コンテナホテルと“◯◯ファン”に響く消費の仕組み作りを提案しました。イベントで利府町に来た人の「足がない」「ベッド(宿泊施設)がない」「消費がない」の解決を目指したものです。建設費が圧縮できるコンテナ型ホテルの建設や、梨小屋をリノベーションして宿泊施設に変えるなど、宿泊・周遊・体験のコンテンツを考えた内容となっていました。

●利府牡蠣のブランド化×カーボンオフセット
利府町の牡蠣に着目して「ど根性牡蠣」としてブランド化し、担い手を支える提案をしました。生産量は少ないが栄養価に優れている点に着目し、「ど根性牡蠣」として売り出したり、養殖業者が1軒しかないということを逆手に取ってブランド化したりするというものです。また、養殖棚の海藻をブルーカーボンとして認証し企業に販売するアイデアも飛び出しました。

このほか、「推し活に優しい町」にするための提案や、民間企業とのタイアップによる梨の海外輸出案などもありました。

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全体を通しての振り返り

各グループの発表を受け、ご協力いただいた利府町の方々、事業構想大学院大学の講師陣からは以下のようなフィードバックがありました。

●利府町の方々から
「利府町の細かいところまで調べていただいてありがとうございます。オンデマンドの乗り合いワゴンをラッピングする話や推し活の話など、興味深い提案がたくさんありました。また、農産物輸出会社とのタイアップはまだ考えたことがなかったので、よい気づきをいただいたと思っています」といったフィードバックをいただきました。また、「行政は税金で成り立つ組織。活性化に向けて、費用は行政が負担するのか民間企業が負担するのかといった点も考えてもらえたら」というアドバイスもいただきました。

●事業構想大学院大学の講師陣から
実践科目の折り返しの回ということで、講師陣からこれまでの振り返りが行われました。回を重ねるごとにアンテナが鋭くなってきた受講生たちの提案に対して「お金の構造をしっかり考えていたり、他にはないオリジナリティがあったり、とても良い発表がありました」などとの講評がありました。一方で、「誰かが使った言葉、どこかで聞いたような言葉は絶対に使ってはいけない。どこかで聞いた案はやめ、発想の転換をしていきましょう」との言葉もありました。

まとめ

グループによる発表に対しても、利府町役場の方々から追加質問があり、アイデアの深掘りするヒントをいただくことができました。一方で、アイデアを提案できる場があるということは貴重なことであり、自分たちが言いたい内容を、自信を持ってはっきりと伝えることの大切さについても改めて学ぶ回となりました。

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